忘却すること

2005年4月6日 日常
人の記憶は不思議なものですね。

忘れたくないことも、忘れたいことも少しずつ薄れていきます。
どうしようもなく苦しい日々も、
楽しかったときも薄くなっていきます。
もちろんその中でピンポイントのように薄らがないものが残っていくのですけど、トータル的には「薄く」なっていってしまいます。

かつて、私の中には「自分を消したい」という願望がありました。
今はそれはとても小さくなり、ほとんどなくなりました。
「消したい」
それは私の中では「死にたい」という意味ではなかったのですが。
自分の存在を消去したくなりました。
同じ事に見えますけど。

睡眠薬50錠を並べ、その前に何時間も座っていたことがありました。
でも、私は自分の存在を本当に消し去ることはできませんでした。
死を望んでいたわけではなかったから。

今日は近くの公園に、お弁当を持って花見と散歩に行ってきました。
うららかな陽光のなか、花々が咲き乱れ、木々が芽吹き・・・
桜、連翹、ひとりしずか、木蓮、こぶし・・・生命力が溢れていました。
(綺麗でした。写真は{HOME}にアップしておきますね)
自然に笑みが出て、とてもすがすがしかったです。
でも、その中に自分が居ることがちょっぴり不思議でした。

思い起こせば・・・
昨年の今ごろには体調の異変が始まっていました。
それから過ぎた時間は約1年。
でもその詳細は少しずつ薄くなって現在進行形から「過去」になりつつあります。

もしかすると。
神様は人に「忘却」というプログラムをあえて組み込んで作ったのかもしれませんね。

今日は花々に囲まれ、とても幸せな気分でした。
いろいろなことがあった1年でしたが
それを通過した今、私は幸せと感じています。
そう感じられるようになって、よかったです。
でも一方で、「薬を並べ、その前に座る自分の姿」だけはきちんと記憶し受け止めておきたいと思います。

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