ホスピス

2004年10月4日
病院で同室だったAさんが
「緩和ケア病棟」へ移ったという連絡があった。
緩和ケア=積極的な治療をせずに苦痛を和らげること。
いわゆる「ホスピス」である。

私が傍観者であったときには
そうやって、静かに家族と死を迎えることは良いことだと思っていた。

大学の授業で「癌の疼痛緩和ケア」の講義を受けているときも
同じだったと思う。
苦痛が少なくて済むなら良いことだ、と。

でも。いざ自分が当事者になった今。
がん患者の心の明暗をひしひしと感じている。
そして、末期がん患者の心・・・。

人間の身体はそんなに単純ではない。
苦痛が和らいだとしても、なんらかの不都合が生じていることが多い。
麻薬を使用して、疼痛緩和したときは
当然さまざまな副作用も出てくる。
日中の大半を寝ていることだってある。

人間の心もそんなに単純じゃない。
自分の運命を受容するまでには
さまざまな紆余曲折があるはず。
毎日毎日、行ったり来たり・・・。

自分がその立場におかれたら?
治療をする病棟から、
緩和ケア病棟に移動するってどんな気持ちだろう?
自分なら納得できるだろうか?

Aさんは。
友達からメシマコブとそれに関する本を差し入れられた時。
「3ヶ月たったら、肝臓への転移が消えるっていうから。
3ヶ月後にみんなでお祝いをしてくれるって。あなたも来てね」
と嬉しそうに話していたのです。
3ヵ月後とは、つまり今月のことなのです。


切ないです。

でも。応援を続けます。
それしか出来ないけど。

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